ロンドンのコワーキングスペース7選!イギリスで急増中のコワーキングスペースとは
世界最大数のコワーキングスペースを誇る都市、ロンドン。 コワーキングスペースとは、業種を問わず、フリーランサーや起業家など、新しい働き方を求めるプロフェッショナルのニーズに応えるために生まれた共有スペースのことです。一般的にはオフィスのような仕切りはなく、開放的で、イベントスペースやカフェがあり、またジム、ヨガスペース、バーなどワークライフバランスを重視した構造となっています。
ロンドンではコワーキングスペースが急増中!
ロンドンには、様々なワーキングスタイルに合わせて、ありとあらゆるコワーキングスペースが存在します。もともとスタートアップメッカのOld Street近辺や、ロンドン橋近辺などシティ中心に多くオープンしていたのが、いまではHackneyなどアーティストの多い東ロンドンや、北ロンドンにも数多く設立されています。
有名コワーキングスペースHucketreeのCEOのGabriella Hershams氏は、「(ロンドンの)コワーキングスペースの市場は飽和状態」とまで述べているほどです[1]。また、Coworkinglondon.comというコワーキングまとめサイトに登録されているスペースは、1月31日現在で156件。すでに競争が激しいマーケットですが、これからもどんどん増え続けるでしょう。
コワーキングスペースの種類・使い方
ロンドンのコワーキングスペースの一般的な使い方としては、以下の3つがあります。
ホットデスク(HOT DESK)
決まったデスクではなく、指定スペース内のどこにでも座ってよい。毎日同じ机でなくても良いというユーザー向け。毎日違う席に座ることで、新しい出会いがある、といううプラス面も。
指定のデスク(FIXED DESK)
プライベートオフィスはいらないけれど、毎日確実に使えるスペースが欲しい、というフリーランスやスタートアップ向け。
オフィススペース
スタートアップからより大きな企業まで、自分の会社のプライバシーがほしいというユーザー向け。自分のスペースがありつつも、共有スペースを通じて社外のワーカーと交流ができるというメリットも。
基本的にはメンバー登録が必要で、コミュニティ感やメンバー同士の繋がりを重視する度合いは様々です。 以下、いくつかロンドンのメジャーなコワーキングスペースを見ていきましょう。
一覧
ウィーワーク/WEWORK
コワーキングスペースのパイオニア的存在。規模的にはロンドン内で一位、世界で見てもトップレベル。2017年には日本進出のためにソフトバンクも出資したコワーキングスペースでは一番知られているオフィス。
2010年設立以降、大きく成長し、今ではオフィス占有面積はGoogleの2倍近くまで伸びています[2]。もともとミレニアル世代のテックスタートアップ対象だったのが、今ではより大きな企業のオフィススペースまで提供しています。
所在地:ロンドンに33箇所。シティなど中心部だけでなく、北・東ロンドンにもブランチがあります。
料金:
- ホットデスク料金:£200/月〜
- 指定のデスク料金:£285/月〜
- プライベートオフィス料金:£460/月〜
キャンパス・ロンドン/CAMPUS LONDON
Googleがデザインし、スタートアップ向けに解放しているスペース。メンバーになれば利用無料で、新規入会者はオリエンテーション受講必須など、コミュニティ感が強い気がします。7階建で様々なイベントがいつも行われています。所在地はOld Street近く、フィンテックを中心に多くのスタートアップが集まるエリアにあります。
所在地:
5 Bonhill Street, Shoreditch, London, EC2A 4BX
料金:
問い合わせ必要
ハックルツリー/HUCKLETREE
分野にとらわれず、フリーランサーから大きなビジネスのオフィススペースまで、使用可能。 デザイナーが多く、また緑の多いオフィス内で、消費エネルギーやリサイクルなどエコにも力を入れているワーキングスペース。
所在地:
Shoreditch と Clerkenwell の2箇所。
料金:
ホットデスク料金:£350/月〜
指定のデスク料金:なし
プライベートオフィス料金:(中) £450/月〜、(大) £600/月〜
フォーラ/FORA
プレミアム・コワーキングスペースとして謳うフォーラ(FORA)。オウンオフィス(Owned Office)、オウンデスク(Owned Desk)、オープンデスク(Open Desk)、イベントスペースの4つの形態を展開。ロンドンで現在12拠点オープンしており、モダンでプロフェッショナルな空間が特徴的。
所在地:
Spitalfields やBricklane などを中心とした12箇所。
料金:
ホットデスク料金:問い合わせ
指定のデスク料金:問い合わせ
プライベートオフィス料金:問い合わせ
ワークライフ/WORK.LIFE
フリーランス、コワーキング、ビジネスの3種類にケーターしています。雰囲気としてはクリエイティブなワーカー向け、という感じがします。立地的にもロンドンシティ中心には一つもなく、London FiledsやBermondseyなどデザイナーやアーティストが多く活動するエリアに店舗あり。部屋も小さめで、一人一人の交流を重視しています。
所在地:
London Fields, Clerkenwell, Camden, Bermondsey, Reading Hammersmithの6箇所。
料金: ホットデスク料金: £4/毎時+税〜、£30/日+税〜
指定のデスク料金:£250/月+税〜
プライベートオフィス料金:£375/月+税〜
テックハブ/tech hub
「テクノロジー系スタートアップ・起業家のためのグローバルコミュニティー」をスローガンとするコワーキングスペース。ロンドンをはじめ、マドリッド、ワルシャワなどヨーロッパに広く展開しており、グーグル社のスポンサーも受けています。世界で750社以上のスタートアップと起業家が登録し、独自のスタートアップサポートプログラムも展開。Googleのキャンパスロンドン(Campus London)内にも1件あります。
所在地:
Moorgate駅とOld Street駅(Campus内)周辺に2箇所。
料金:
ホットデスク料金: £425/年〜
指定のデスク料金:£275/月〜
プライベートオフィス料金:£1548/月〜
インパクトハブ/IMPACT HUB
Impact Hubは世界でも最も大きいコワーキングスペース社の一つ。ヨーロッパ、アフリカ、アジア、北アメリカ、南アメリカの5地域にオフィスを持ち、86つのスペースと11000以上のメンバーを誇ります。 起業家だけでなく、活動家、クリエイターなど様々な分野のフリーランサーやスタートアップにスペースを提供しています。
所在地:
Islington、Kings Corss、Westminster、Brixtonの4箇所。
料金:
ホットデスク料金:£270/月〜
指定のデスク料金:£330 /月〜
プライベートオフィス料金:問い合わせ
まとめ
膨大な数と種類のコワーキングスペースがひしめくロンドンには目を見張るものがあります。最近では、あるコワーキングスペースが、同じ建物にweworkがオープンしたことによりそちらにユーザーが流れ、昨年止むを得ずクローズに追いやられるというケースまでありました。激しい競争の中でこれからもどんどん新しいコワーキングスペースができていく模様ですが、ロンドンでビジネスを展開する際は、上記の一覧を参考にしてみてはいかがでしょうか。
参考リンク
[1] Hubble – Communal Working: Why London’s workforce is migrating to co-working spaces[2] Financial Times – WeWork becomes central London’s biggest office occupier