ヨーロッパ
スペインで活躍するプロゴルファー早川真帆さんに聞く、現地のゴルフ業界事情とビジネスチャンス
早川真帆
今回のブログではスペインでプロゴルファーとして活躍されている真帆さんにスペインでの生活や文化の違いについて紹介してもらいました。スペインでゴルフ市場はどうなっているのか、また日本の企業にとってスペインのゴルフマーケットにはどのようなビジネスチャンスがあるのかなどについて知ることができます。東京エスクは海外で活躍されている真帆さんと海外市場への進出を検討している企業を応援しています！
はじめまして。早川真帆と申します。女子のヨーロッパツアー、下部のアクセスツアーに参戦しているプロゴルファーです。今までもヨーロッパでゴルフをする日本のプロの方はいらっしゃいましたが、私が彼らと異なるのはマドリード、スペインに住んでいるという点です！今回のブログでは、私の視点から見たスペインのゴルフ環境とゴルフマーケットについてお話しようと思います。
経歴
私は2019年にアメリカでプロ転向し、ヨーロッパでは3シーズン目に突入します。ゴルフは7歳の時にドバイで始め、その後もメキシコ、日本、アメリカでジュニアの試合に出続け、大学4年間はヴァージニア大学のゴルフチームに所属していました。2019年の夏に父がスペインに転勤することになり、ヨーロッパツアーに興味があった私は一緒についていくことにしました。偶然なのですが、ヨーロピアン・ツアーに挑戦するのは私がドバイでゴルフを始めたころからの夢でした。私がメンバーだったEmirates Golf Clubもヨーロッパツアーを開催しているので、選手としてもう一度ドバイの芝生を踏むのが今の目標です。今年はアクセスツアーを中心に試合に出て、ヨーロッパツアーは出場できるものは全て出場していきたいと思っています。
スペインでのゴルフ事情
スペインではゴルフがとてもしやすく、私はマドリード有数のパブリックコース、Centro Nacional de Golfで普段は練習しています。Centro Nacional de Golf にはスペインのゴルフ協会があるので色々な施設が備わっていて、プロゴルファーにはありがたい環境です。ナショナルチーム、プロ専用の練習場もあるので目的のある練習に集中して望めます。2018年の男子ゴルフツアーのスペイン・オープンの会場にもなったゴルフ場なので、コースのレイアウトもとても面白いです。
アマチュアの選手にもとても良い練習環境で、きれいなパッティング・グリーン、アプローチ・グリーン、そしてToptracer付の大きな屋外練習場があります。Toptracerはイギリスのゴルフシミュレーターで、練習で色々な数値を確かめられる他、その機械を使って世界中のゴルフ場をバーチャルで回ることができます。私もToptracerを使って距離やボールの打ち出し角を測ったり、雨の日はヴァーチャルゴルフをしてトレーニングをします。平日はToptracerの使用が無料なので、とても良心的です。
このゴルフ場以外にもマドリードには計28カ所ゴルフ場・練習場があり、大半はプロに月一回は無料でラウンドが出来ます。多種多様なコースでプレーすることで自分の長所、短所を模索しながら練習しています。
日本企業へのビジネスチャンス
スペインはコロナのパンデミック以降ゴルフ人口が増えたので、それに伴ってゴルフ業界も伸びました。スペインでビジネスをしようと思っている方にはとても良いタイミングだと思います。では、日本の企業にとってスペインのゴルフマーケットにはどのようなビジネスチャンスがあるのでしょうか？これは個人的な意見ですがゴルフアパレル、ゴルフイベント、観光業界、そして意外にも再生エネルギー業界が挙げられると思います。
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アパレル業界
ゴルフ人口が増えるにつれて比例するようにゴルフウエア、アクセサリー等の需要が増加しており、ここ数年でゴルフアパレル業界におけるスタートアップの存在が大きくなりました。実際、私をサポートしてくださっているINDRA Sportswear様、 Not Only Golf Brand様もコロナ後に始まったスタートアップです。ライバル企業が多いというリスクもありますが、ヨーロッパのウエアが単調なのに比べて日本のアパレルは種類が豊富で目を引くデザインの物が多く、既存の会社との差別化を図れるため成功率は高いと思います。
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ソフトウェア業界
二つ目は、現在スペインのゴルフ業界の中で話題となっているイベント業界です。Centro NacionalはGourmet Golf Experienceというサービスを提供していて、Toptracerでヴァーチャルゴルフを友達とラウンドしながら食事ができます。実際にコースを回るのと違い、色々なレベルの人が一緒にプレーをすることが出来るので、初心者も楽しむことが出来ます。アメリカではTop Golfと呼ばれていて、とても人気があります。しかし、スペインのゴルフ場の大半はまだToptracerのようなゴルフシミュレーターを搭載していないため、インドア・シミュレーターなどがすでに普及している日本は一歩先を進んでいると思います。このような日本の技術をスペインのゴルフ場に提供し、イベントに繋げるのはメリットが大きいと思います。
観光業界
三つ目はゴルフと提携した観光業界です。スペインはマドリード、バルセロナ、コルドバの様に歴史のある町が多く、同時に都市の中心部から比較的近い場所にゴルフ場があります。そのため、ゴルフのツアーに観光を加えた旅行が少しずつスペインで広がり始めています。日本の企業もこのような観光企画に着手することで、コロナ後のスペインの観光業界をさらに広めていけるのではないでしょうか。
再生可能エネルギー業界
四つ目はゴルフ場と再生エネルギーの需要を見据えたビジネスです。今、ヨーロッパのゴルフ場はエコな環境に切り替えるために努力を重ねています。そこへ日本の高度な技術を投入する余地は十分あると思います。現時点ではCentro Nacionalは練習場の屋根に太陽光パネルが設置してあり、将来的にはクラブハウスや駐車場にも広がるでしょう。他にも多数のゴルフ場が似たような状況にあります。スペインは太陽の国と呼ばれるほど晴れの日が多く、日照時間も長いので、太陽光発電には最適な国なのです。他にも私の通っているジムでは電気自動車の充電施設などを設置し始めたので、再生エネルギーを意識した取り組みは沢山の場所で見られます。
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今回はスペイン、特にマドリードのゴルフ環境と日本の会社との将来性についてお話しさせていただきました。スペインのゴルフ業界は今、急成長中なので最高のビジネスチャンスかと思います。同時に、私もマドリードのゴルフ環境のおかげで大分成長できました！この記事を読んでくださった皆様にマドリードのゴルフ、そして私のゴルフに少しでも興味を持って頂けたら嬉しいです。
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