[2022年版]イギリスでこれから伸びる3つの業界
刈込 穂佳
収束の兆しがなかなか見えないコロナ渦で未だ停滞している業界がある反面、レストランやパブなどパンデミック発生当時は大ダメージを受けた飲食業界も、イギリスでは徐々に規制が軽くなり、週末は空席がないほど賑わっています。しかし、度重なる新生株の発生によりホスピタリティ業界は先が見えない状況です。
そうした中で、パンデミックにより脚光がさした業界に今後も注目が集まります。
この記事では、2022年にイギリスでの成長が期待できる業界を4つ紹介しているので、イギリス進出を視野に入れている企業の方は参考にしてください。
コロナ渦による生活の変化
パンデミックの発生により、人と会う機会や外出が政府によって制限された結果、自宅で過ごす時間が増え、休日には自宅の庭でバーベキューや読書をして過ごすイギリス人も増えました。もともと”イングリッシュガーデン”という単語があるように、イギリス人は自宅の庭の手入れを好んですることが知られていますが、BBCの調査によるとコロナに伴う規制により庭付きの物件の需要が増えたことがわかりました。
そのほかにも、「より良い自宅作業スペース」や「公園から近い」、「ペットを飼いやすい」など自宅で過ごす時間が増えたことによって発生した新たな需要を示しています。
このような状況下で引っ越しを考えている人のために、ビデオ電話によってオンラインでの物件案内をサービスとして提供する不動産会社も少なくありません。
また、ウィンドーショッピングなど実店舗で買い物をする機会が減り、中には閉店を強いられオンライン販売へ移行したビジネスも存在します。そのためオンラインショッピングなどEコマース業界の需要が急激に高まりました。コロナのビジネスに対する影響の詳しい記事はこちらからご覧ください。
パンデミックによる人々への生活の影響はビジネスだけではありません。自宅での時間を有意義に過ごすための工夫や、メンタルヘルスケアというトピックにも注目が集まりました。イギリス人が具体的にどのようなメンタルヘルスケアをしているのかは、別のブログで詳しく取り上げているのでご覧ください。
2022年にイギリスで伸びる業界
Eコマース業界(ファッション・美容業界)
上のグラフが示しているように、本格的なロックダウンが行われた2020年以降Eコマース業界全体の売上は右肩あがりに増えています。一方で、家で過ごす時間が多くなり、ファッションや化粧品、美容品類業界の成長は滞っていました。しかし、2022年以降はロックダウンの終わりと共に、これらの業界もまた売上を伸ばしていくと予想されます。
IT業界
会社通勤を再開した企業がある中、リモートワークのほうが効率的に仕事ができるという研究結果があるように、あえてワークスタイルを在宅のままにする労働者や企業が多数存在します。言い換えれば、場所を問わずに仕事ができる業界に注目が集まります。場所を問わずに仕事ができる業界と言えば、IT業界がその代表的な職業です。
テクノロジー業界が実施した調査によると、ハイテク企業の大半が2022年春の売上、投資、そして従業員数の増加を見込んでおり、規模拡大に向けて積極的な姿勢を示しています。実際、求人広告ネットワークにおいてプログラミングやサイバーセキュリティの募集が多く掲示されており、これらの職種は他の業界に比べて給与も比較的高い傾向にあります。また、多くの企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)に投資をしている昨今、業界に対する需要も高まっていると言えるでしょう。この情報から言える事は、DXソリューションを提供する日系企業や、在宅ワークに適した商品やサービスを販売する日系企業にも2022年以降イギリスでビジネスチャンスがありそうです。
イベント業界
12歳以上のイギリスでのコロナワクチン接種率は90%と非常に高く、ブースター接種(3回目のワクチン接種)を受けた人口は3400万人と国民の60%以上を占めています。このような状況から、大規模なイベントや海外旅行への規制が軽くなり、ロックダウン中に売り上げがひどく落ち込んだ業界の再成長が予想できます。
無観客イベントをオンラインでライブ配信するなど、コロナの影響により大きな変化がもたらされたイベント業界ですが、ワクチン接種率が高いイギリスでは主席者に対してイベント出席前後48時間以内の陰性結果を条件に5000人規模のイベントが昨年12月に開催されました。
これに続き、2022年にはより多くのイベントの開催が予測されます。しかし、座席数を少なくしたり他の観客との距離を空けるなど、コロナ以前のようなイベントの状態に戻るまでには時間がかかりそうです。
BBCによると、音楽業界では利益増加のためにイベントのライブ配信がさらに増える見込みであり、ライブストリーミング市場規模は2027年までに2470億ドルを超えることが予想されています。ライブ配信でのイベントは場所を問わないため、コスト削減につながるだけではなく、より多くの人が参加しやすくなり益々の発展が期待できます。これにより、国を超えた規模での同時イベントの開催が可能となり、海外市場をターゲットとした新たなマーケティングの手段の一つとして考えられます。
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航空業界
Cirium社のエアライン・インサイト・レビュー(第2回)によると、航空業界は回復傾向にあり2022年には航空座席数が47%増加すると予測されています。また、Statistaによると海外からの渡英者数は2021年に800万人弱だったのに対し、2022年には2400万人まで増加すると予想されています。
イギリスを含むヨーロッパの国々では、ワクチンパスポートを持っている場合旅行への規制が軽くなり、既にイギリスからフランスやスペインなどへ飛行機を使って旅行をしているイギリス人も一定数存在します。新種株の度重なる登場によりコロナ事態の収束は未だ目途がつかない中、ワクチンが普及し重症化のリスクが低くなりつつある現在、ビジネスワーカーだけではなく一般客の飛行機の利用は2022年大幅に増加することが見込まれます。
このように日本と同じ島国のイギリスではすでに海を超えた旅行の需要が増えており、日本への外国人旅行客は入国制限が解除されたと同時に一気に増えることが予想できます。そのため海外にマーケットがある企業は、消費者に直接自社のサービスを宣伝できるチャンスであり、いち早くこれらの旅行者を対象とした営業やコミュニケーション対策をとることが必要となります。
まとめ
日本に比べコロナ患者数が多く制限が厳しかった欧州では、今や高いワクチン接種率を誇っており、そのおかげで日本より一足先に海を越えた旅行や大規模なイベントの開催もされています。また、リモートワークから切り替えずに在宅へ移行した結果、労働者の雇用機会が増え結果的にあらゆる業界の成長に繋がっていくこととなりました。
伝統やしきたりを重んじる日本とは対象に、新しいことでも良い点があれば取り入れていくため、トレンドが常に変化しているイギリス。海外進出を目指す企業様にとっては避けては通れない文化の違いですが、東京エスクはそんな文化の違いをネイティブによく理解して、御社のヨーロッパ進出パートナーとなります。
東京エスクは以下のガイドに、海外進出の手順をまとめました。参考にしてください。
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