フェラロ・ジュリア

みなさんは5月が「ファミリーウェルネス月間」であることをご存知ですか？ファミリーウェルネスとは家族の健康的なライフスタイルと習慣を奨励するもので、家族が幸せに暮らすためには、身体的、感情的、精神的な健康が重要であるということを意識するために存在します。実際に国連総会は5月15日を、家族に関連する問題の認識を促進し、家族に影響を与える社会的、経済的、人口統計学的プロセスに関する知識を深める機会として「国際家庭の日」と定めています。

そこで今回は5月のファミリーウェルネス月間に基づき、イギリスの家族向けマーケティングコンテンツを紹介しつつ、日本の広告と比較してみたいと思います。

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家族向けCM

イギリスでは、宅配ピザは週に一度に家族でシェアして食べる楽しい夕食というイメージがあります。イギリスで人気の宅配ピザ会社Pizza Expressは、欲張りな姉妹や変わった服を着た親など、一癖ある家族に焦点を当てたCMを宣伝動画として作成しました。キャッチコピーである “Expressly for Everyone “は、最近の広告で重要かつ普遍的なテーマである「多様性」を強調するものです。この広告のナレーターは、英国のコメディアン、デヴィッド・ミッチェルが務め、広告の面白さと楽しさをさらに盛り上げています。

同様に、日本の東京ガスのCMも家族を中心にしたものが多く見受けられます。イギリスの広告と違う点は、より感情的でストーリーにあふれたミニ映画のように仕上がっている点です。今回の新CMは、「子育てをチームプレイに」がテーマになっていて、イギリスのCMと同様、野球の試合のようにナレーターが育児について語るなど、遊び心があり、さらに派手な髪型や服装の若者たちを通して、多様性を表現しています。

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母の日に関連したCM

日本を含む多くの国が5月の第2日曜日を母の日と定めているのに対し、イギリスでは3月の中旬から4月の上旬に祝われ、年によって日付が移動する祝日に祝われます。Tesco（イギリスの大手スーパーマーケットチェーン）の母の日の広告では、「あらゆるタイプのママを祝福する」というメッセージが表示され、継母、養子を迎えた母親、一家に二人の母親（同性同士の関係）など、様々な母親像が描かれています。この広告のメッセージは、現代の家族という組織はかつてほど伝統的なものではなく、その代わりに、母親にはあらゆる形があり得るという意味が込められていて、母親は子供を産んだ人である必要はなく、子供を愛し、自分自身のように育ててくれる人を母親と呼ぶのは自然であるということを強調しています。

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楽天の母の日CMは、母親とその趣味や夢にスポットライトを当ていて、娘も一緒になって母親を応援する姿はとても感動的です。イギリスのCMに比べると少し伝統的かもしれませんが、母の日がいかに愛と感謝の日であるかが強調されています。また、日本のCMはストーリー性があり、起承転結があるのが特徴です。

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父の日に関連したCM

Moon Pigは、英国に本社を置くパーソナル・カード・デリバリー・サービスです。この父の日の広告では、歯列矯正をした成人の男性が自分の父親にカードを送るシーンが描かれています。広告の中で、ブタが宇宙ヘルメットをかぶっていたり、大の大人が子どもっぽい設定になっていたりと、全体的に楽しくて遊び心があるCMに仕上がっています。いくつになっても父親は常に父親なのだということを思わせてくれる優しいCMです。父の日を祝う子供に歳を取りすぎるということはないのです。

日本では誰もが知っているソフトバンクのCM。父の日のCMは、イギリスの広告と同様、「連絡」がテーマとなっていて、このCMもコミカルな内容になっています。このように、日本でもイギリスでも、母の日のCMに比べると父の日のCMは思わず笑ってしまうような広告が多くみられます。

イギリスでも日本でも、家族を中心としたCMは感情的なタッチで描かれています。平均して、日本のCMはより情緒的で、CMの中に感動的なストーリーが存在し、始まり・中幕・終わりがはっきりしています。日英ともに、最近のCMには多様性が感じられ、イギリスは伝統的な家族構成だけでなく、同性の両親や義理の両親がいる家庭を紹介しており、その点をより強くアピールしています。

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