
世界各国が注目するサーキュラーエコノミー(循環型経済)〜フランス編〜
河野圭那
フランス政府がサスティナブルな社会を目指して、積極的に新しい法律を制定しているのをご存じでしょうか?当記事では、弊社のビジネス開発担当の河野圭那がフランスにおける斬新的なサーキュラーエコノミー(循環型経済)について書きました。
サーキュラーエコノミーとは?
サーキュラーエコノミー(循環型経済)は、持続可能な社会を創るために、限りある資源の再利用を中心とした経済活動のことを指します。戦後から現在の活発な経済活動の背景には持続可能な社会からかけ離れた資源の使い方が存在し、発展・利益の追求により、大量生産・資源の過剰な搾取が当たり前となってしまいました。
そんな中、資源を無駄に使うのではなく、今ある資源を修復し再利用することに着目したサーキュラーエコノミーが、ヨーロッパや日本をはじめとした世界各国で年々経済の基盤となってきました。現在、そして未来のことを考えた経済活動です。
以前、弊社の拠点の一つであるオランダのサーキュラーエコノミーを紹介しました。さて、今回は世界でも有数のサーキュラーエコノミーを推奨しているフランスに注目してきたいと思います。
フランスでは革新的な政策を数多く実施しています。今回は世界で初めてフランスで思考されている法律2つ、その他にも制定しているものをいくつかピックアップしてみました。
1.販売されずに売れ残っている製品の処分を禁止
フランスは世界で初めて、販売されず、売れ残っている製品の処分・廃棄を禁止するという法律を制定しました。この法律により、売れ残った商品を廃棄処分するのではなく寄付・リサイクル・リユースすることが義務付けられるようになりました。
世界のほとんどの国で問題視されているゴミ問題。
大量生産により発生した多くのゴミの量。ゴミを燃やすことによって生じる排気ガス・使用するエネルギーは全て環境を汚染する原因となっています。
ゴミを作り出さない・使えるものを再利用するといったこのような法律はゴミ問題の改善に大きく貢献しています。
また、このような法律は環境汚染対策のみならず、社会的な問題を解決するためにも重要視されています。世界には必要なものを買いたくても買えない人が多くいます。売れ残っている製品を寄付・リサイクル・リユースすることによって製品を無駄なく、必要な人たちの手に届くことを可能にしています。
2.電子機器の修理可能性指数表示の義務化
他にも、フランスは世界で初めて電子機器/家電製の修理可能性指数の表示を義務化しました。
修理可能性指数とは
修理可能性指数とは、製品の修理のしやすさをスコア化したものを指します。修理可能性指数の点数が低いほど製品の修理がしにくく、高いほど修理しやすいというものです。

家電製品の大量生産・消費は環境に大きな悪影響を与えます。その上、修理できない家電製品はゴミ問題に大きく影響を与えています。
そのためフランスでは家電製品の修理可能性指数の表示を義務化し、開発・デザイン段階で修理しやすい製品を作り上げるよう、家電製品メーカーに推進しています。
この法律は、壊れたら製品を捨て、新しいものを買うのでなく長く利用できるよう、修理しやすい製品の開発を促すために制定されました。
また修理可能性指数の表示のみならず、新品電子機器が一般的なソフトウェアアップデートをした上で正常に機能する期間を提示することも義務付けています。
修正可能指数や電子機器の使用できる期間を表示することによって、消費者は自分に合った製品を購入することができます。
その他、様々な取り組み
他にもフランスでは再利用・リサイクルを推奨、私生活に取り込みやすくするようするため様々な法律や取り組みを行っています。
- 再利用を促進するために国が基金を創設し、リサイクルセンターや社会的NGOなど、この分野に関わる組織を支援しています。
- リサイクルのルール・ロゴを全国共通にする。ルールやロゴを全国統一化することによって説明が明確になり、リサイクルをしやすくできるように試みている。ロゴやルールを統一化することによってリサイクルをしやくし、持続可能な社会に貢献することが可能になります。
最後に
フランスでは、国レベルから企業、個人レベルまで、すべての人が持続可能な未来のために貢献できるように、様々な法律・政策を本格的に導入しています。これからもフランス、日本を始めた数多くの国々が持続可能な社会のためサーキュラーエコノミーに着目していくことでしょう。また、東京エスクではこれからも世界のサーキュラーエコノミー、そして持続可能な社会のための取り組みをピックアップしていく予定です。国ごとの詳細調査等の依頼も可能ですので、お気軽にご連絡ください。
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