エリザベス女王在位70周年記念式典「プラチナジュビリーの祭典」
フェラロ・ジュリア
今年の6月、英国ではエリザベス女王2世の在位70周年を迎え、「プラチナジュビリー」として記念行事が行われます。6月2日と3日は国民の祝日となり、全国各地で著名人を招いてのイベントやパーティーなど、たくさんの食べ物や音楽で盛り上がることが予想され、国中が「お祭り」ムードに包まれ、多くの国民が愛国心を高めることは間違いないでしょう。
英国では、このバンクホリデー(祝日)の週末を祝うために総額8億2300万ポンドが費やされると推定され、人々は食べ物や飲み物、ユニオンジャックをモチーフにした装飾品を買うためにスーパーマーケットや店に押し寄せています。2年間のパンデミックと昨今のインフレーションの影響で滞ってしまっていた英国経済に対して今回のイベントは間違いなく歓迎すべきニュースであります。そこで今回のブログでは、プラチナジュビリーをビジネスチャンスとして、英国企業がどのように活用しているかを探ってみました。
世界中の多くの人が、英国王室を英国のシンボルとして認識していることでしょう。これは英国王室は英国の観光産業において、重要な役割を果たしているからです。実際に、現地の人々も王室を観光産業のために適していると考えています。英国を訪れたことがある人なら、エリザベス女王の顔がプリントされたお土産物をたくさん目にしたことがあるでしょう。このような要因から、王室が非常に市場価値の高い存在であることは周知の事実です。例えば、ネットフリックスの「The Crown」は、エリザベス女王の治世下での出来事をドラマ化したもので、常に人気上位に入っています。
皆さんも覚えていると思いますが、2012年のロンドンオリンピックでも、女王はジェームズ・ボンドと一緒に開会式に登場し、話題になりました。この様に、商品やテレビ番組に「王室」が登場すると注目されるのです。実際、バービーメーカーのマテル社は、女王のプラチナジュビリーを記念してエリザベス女王バービーを限定生産し、ネット販売において3秒で売り切れました。
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1. マークス・アンド・スペンサーズ
英国の小売業者マークス・アンド・スペンサーズは、「素晴らしいジュビリーパーティー」を開催するために必要なものはすべて揃っていると宣伝しています。キャンドルからベッドシーツまで、多くの商品にユニオンジャックをはじめ、コーギー(女王はコーギー犬が好きなことで知られています)などの英国のシンボルが描かれています。
同様にまた、「英国産製品」にも力を入れており、英国産イチゴから英国産スパークリングワインまで、6月は英国のあらゆるものが注目されるようです。国内の飲食料業界にも良い影響を与えることは間違いないでしょう。
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2. フォートナム・アンド・メイソン
イギリスに行ったことのある人なら、フォートナム・アンド・メイソンで購入したお土産を日本に持って帰ったことがあるのではないでしょうか。フォートナム・アンド・メイソンは百貨店で、主に英国の食品と紅茶のセレクションが知られていて、そのパッケージの可愛さからお土産として人気です。
この英国らしいブランドが、プラチナジュビリーに関連した商品も出しているのは言うまでもありません。限定版のティーセットやお皿、茶葉など、デザインも味も英国らしいユニークなものばかりです。
もし6月中に英国を訪れる機会があったら、お土産にフォートナム・アンド・メイソンの限定商品を買うのも良さそうですね。
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3. ウェイトローズ
ウェイトローズは英国のスーパーマーケットですが、5月にもかかわらず、既にジュビリーの影響による売り上げの増加がありました。ウェイトローズは、ピムス(英国で夏に人気な飲み物)の売り上げが昨年比260%以上増加し、ウェブサイトでの「jubilee」のワード検索が176%増加したと発表しています。また、ジュビリー用の食べ物としてサンドイッチの具として人気の「コロネーションチキン」も独自に販売しています。
ウェイトローズは、Jude’s(アイスクリーム)やトワイニングの紅茶など、英国オリジナルのブランドに焦点を当て、ジュビリーの休暇中に需要が増すアイテムを揃えて値引きして売り出しています。
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考察
日本では皇室をビジネスのために利用することは考えられませんが、英国では長年この様に経済活動の一環として王室が使われてきました。これは経済効果があるだけでなく、王室をより身近に感じられる様になり、愛国心も育つと言う相乗効果があります。王室をあまり歓迎しない国民にとっても、今回のジュビリーは長引いている世界の不安から気を逸らし、イベントを楽しめるいい機会となりそうです。
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