【2022年イギリス版】英国ホリデーをセールスチャンスにする方法・年間販促カレンダー
Mao Asabe、Honoka Karikomi
東京エスクでは、海外マーケティングに役立つ「2022年版 販促カレンダー」をご用意しました。イギリス人向けのコンテンツ作成のネタ探しや、季節に合わせたキャンペーンの企画・SNSでの発信にぜひご活用ください。またブログの後半では、ホリデーを使ったビジネスアイディアをさらに提案します。参考にしてみてください。
GDP世界3位である日本の製品やサービスは世界的に評価されている一方で、日本は、先進国の中でも特に休日が多いのはご存じでしょうか?2022年、日本では休日が16日あるのに対し、アメリカでは11日、イギリス(イングランド・ウェールズ)では日本の半分の8日となっています。では、イギリスには具体的にどんなホリデーがあるのでしょうか?今回のブログでは、イギリスの祝日を紹介します。
2022年度のイギリスの休日
1/1 元日 (New Year’s Day)
イギリスでも日本と同じように元日は休日として扱われますが、2022年は1日が土曜日であったため、翌週月曜日が振替休日となりました。日本人は家族で新年を迎えるのに対し、イギリス人は友人らと年を越すことが多く、年越しの瞬間は家庭用花火を打ち上げてお祝いする人も少なくありません。また、日本では正月三が日が祝日となることが多いのに対し、イギリスでは2日から始業する企業が一般的です。
4/15 グッドフライデー (Good Friday)
これはキリスト教の祝日であり、イエス=キリストが世の人々の罪を償うために磔刑によりなくなった日を記念しています。しかし、キリストが苦しみなくなった日であるのにもかかわらず、なぜ”Good” Friday と名付けられたのでしょうか?これに対する明確な答えは明らかになっていませんが、”God’s Friday”と呼ばれていたものが時とともに変格し、このように呼ばれるようになったとする説がありますが、神が人間を罪業から救うために自らを犠牲にした行為が”よい”行いであると考えることも出来ます。
4/18イースターマンデー (Easter Monday)
イースターは磔刑により一度亡くなったキリストの復活を祝う祝祭日であり、復活祭として知られています。キリスト教関連の祝日で一番盛大に祝われ、教会では多くのイベントが開催されます。このように宗教色の強い祝日であるイースターですが、イギリスでは子供達にとっての華やかで楽しい祝日であると認識されています。春物の洋服を新調したり、イースターバニーによって隠された、卵に飾りを施したイースターエッグを探すエッグハントに参加したりと、子供達にはワクワクがいっぱいの日です。また、この期間にはうさぎの形をしたチョコレートやジェリービーンズ、卵の形をしたチョコレートやキャロットケーキなどのお菓子が人気です。この卵はイエスの復活から想起されたものであるといい、主に新しい命を象徴しています。また、卵を割った時の殻がイエス=キリストの墓のようであるとも言われます。
5/2 5月初めのバンクホリデー (Early May Bank Holiday)
「バンクホリデー」と呼ばれるイギリスの休日ですが、その名前の由来は1871年に制定されたBank Holidays Act(銀行休日法)に明記された、イングランド銀行の休業に基づくものであり、銀行での諸取引が停止となるため、企業も休まざるを得なくなり、学校も休む、という形で国の定める休日となりました。北アイルランド、スコットランド、ウェールズとイングランドでは定められているバンクホリデーが異なるため、政府が発表しているホリデーカレンダーを見る際、どの地域のものかを確認する必要があります。5月のバンクホリデーは、ロンドンでは、労働組合による労働者の権利を求める運動が起きる日でもよく知られています。
6/2 春のバンクホリデー (Spring Bank Holiday /late May Bank Holiday)
通常5月の最終月曜日が春のバンクホリデーとして扱われていますが、今年はエリザベス女王の即位70周年を祝うために例外として6月に移動されました。
6/3 プラチナジュベリー (Platinum Jubilee Bank Holiday)
2022年に史上初の在位70年を迎えるエリザベス女王を祝うため、彼女の戴冠式が行われた1953年6月2日を記念してイベントは6月2日(木)から5日(日)まで行われます。この数十年で最も盛大な祝賀イベントとなると言われる英国王室の「プラチナジュビリー」を国民にも祝ってもらおうと、6月3日に追加のバンクホリデーが設けられました。これにより国民は四連休の間英国女王の即位70年目を祝うことができます。1400人以上の兵隊、400人以上の音楽家、200頭以上の馬を含むパレードや、英国女王に捧げるプリンを選ぶ’The Platinum Pudding competition”や、世界屈指のアーティストを招いて開催される”Platinum Party at the Palace”など、イベント内容は盛りだくさんです。
8/29 8月末のバンクホリデー (August Bank Holiday)
毎年8月の最終月曜日はバンクホリデーとされており、イギリスではこの休日がクリスマス前最後のバンクホリデーとなっています。
12/25 クリスマス (Christmas Day)
クリスマスはイエス=キリストの誕生を祝う祝日です。恋人が共に時間を過ごすイメージが定着している日本と違い、イギリスではクリスマスは家族で祝われることが多く、普段教会に行かない人もこの日は教会礼拝に行きます。この日の食卓にはローストターキー、じゃがいもと白ニンジンや他の野菜が並びます。メインコースの後にはクリスマスプディングが嗜まれます。これはドライフルーツとナッツで満たされたケーキのようなプリンで、熱々のブランデーがよくかけられた形で提供されます。
イギリス人のホリデーシーズンの過ごし方についてはこちらから:https://tokyoesque.com/how-people-spend-christmas-in-the-uk/
12/26 ボキシングデー (Boxing Day)
イギリスでは、クリスマスの次の日が祝日であることが特徴です。この日はBoxing Dayと呼ばれ、クリスマスの疲れを癒し、家族や友人と過ごす時間となります。祝日ではありますが、多くのお店はこの日からクリスマス後のセールを開始するため家族や友人とショッピングに出かける人も多く見られます。本来ボキシングデーは、お金持ちが貧しい人たちへ贈り物をするために、クリスマスの夜に余った料理などを箱詰めしていたことに由来しています。
12/27 クリスマス振替休日 (Substitute Bank Holiday)
2022年は、祝日である25日のクリスマスが日曜日であり、26日の月曜日は前述のボキシングデーが休日であるため、火曜日が振替休日となります。
日本企業にとってのビジネスチャンス
宗教色の強いイギリスの休日をビジネスチャンスに変えるのは難しいと思うかもしれません。しかし、視点を変えると様々な需要を発見できます。以下、イギリスのホリデーをどのようにビジネスチャンスに変えることが出来るかの例をいくつか紹介します。
イースターでのお菓子
イースターホリデーにおいてご紹介したように、イースターでは様々な製菓メーカーが卵やウサギをモチーフとした形の商品を発売します。現地のスーパーで売られているのはチョコレートが主流ですが、言い換えればチョコレート以外のお菓子は少なく、競争が少ないため大きなビジネスチャンスとなり得ます。また、ソーシャルメディアを活用したイースター期間限定のキャンペーンや、プロモーションを視野にマーケティング計画を立てることもできます。
クリスマスシーズン
イギリス人はクリスマスに向けて、ホームデコレーションやプレゼントを購入するため、製品のクリスマス限定のデザインが施された製品の需要が増えます。柔軟剤やキャンドル、ルームフレグランスなど香り付きの製品から洗剤まで、期間限定でクリスマスのを彷彿とさせる香りがついた商品が発売されたり、日常的なものでもパッケージデザインがクリスマスのテーマになっていたり、多数の企業が消費者の購入意欲を促進させるための工夫をしています。イギリス人にとって、クリスマスとは単なる娯楽ではなく一年の中で一番大きなイベントであり買い物シーズンです。海外進出をしているもしくは視野に入れている企業様にとって、自社の製品とクリスマスをうまく融合させる事で、PRキャンペーンのチャンスになるかもしれません。
また、イギリスではクリスマスにプレゼントとしてお酒を贈ることも少なくなく、実際にイギリス人のアルコール消費量はクリスマスシーズンにピークを迎えます。Sake(サケ)として知られている日本酒や焼酎などは、イギリスではあまり流通していないため、高価な値段で販売されており、興味はあっても購入までには至らないケースがあります。そこで、比較的手に入りやすい価格で日本酒や焼酎を販売できる流通ルートを設けることは、隠れた需要を浮き彫りにし、結果として利益に繋げられる可能性があります。
在英日本人へのサービス
現在イギリスには63万人の日本人がいると推定されています。しかし、近年はコロナの影響もあり、これらの日本人は年末年始ですら日本に帰れない状態でいる人が多くいます。そのような人たちに向けて、イギリスでも日本の伝統的な祝日イベントを日本にいるような感覚で過ごせるサービスを提供することはこのご時世でビジネスチャンスとなりそうです。
[ビジネスコラム]英国コロナウイルス流行がもたらしたビジネスへの影響はこちらから
また、イギリスではクライアントや取引先に対してお歳暮など季節ごとのギフトを贈る習慣はないものの、新たにそういったサービスをイギリスにおいても展開することは、在英日本人間で話題を呼び、需要の増加に繋がる可能性もあります。
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このように、イギリスの休日はイギリスの文化に色濃く影響されており、中には日系企業の皆様にとってビジネスチャンスとなるものまであります。日本人にあまり馴染みのない休日でも、イギリス人にとっては代えがたいものであり、イギリス進出をする上で避けては通れないものがバンクホリデーです。東京エスクは、ヨーロッパに拠点を置くマーケットリーサーチエージェンシーとして、日本ではあまり知られていないイギリスの情報を提供し、皆様のイギリス進出をサポートします。
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