イギリス・ロンドンでも注目のWeWorkとは?大人気コワーキングスペース・オフィスの特徴
業種や会社のサイズを問わず、様々なビジネスの形のニーズに合わせて生まれた共有オフィス、コワーキングスペース。
フリーランサーから起業家まで、新しい働き方を求めるプロフェッショナルが多くなってきているなか、このようなシェアオフィスは非常に注目を浴びています。
一般的にはオフィスのような仕切りはなく、開放的で、イベントスペースやカフェがあり、またジム、ヨガスペース、バーなどワークライフバランスを重視した構造となっています。
魅力的な理由としては、オフィスコスト削減です。また、一般的なオフィスのような不動産賃貸借契約にかかる初期コストやメンテナンスなどがかかりません。不動産を借り受けてコワーキングスペース・シェアオフィスとして必要な設備をそろえ、ユーザーに貸し出すといういたってシンプルなものです。そのままでは借り手が付きづらかったオフィスビルの広いワンフロアを借り受け、小分けにして売り出すことによって、ユーザーは不動産を所有もしくは長期契約することなく利用できるようになったのです。
ロンドンのコワーキングスペースとは
ロンドンは、そんなコワーキングスペースの世界最大数のコワーキングスペースを誇る町です。その中でもWeWorkは規模と知名度ともに1位のコワーキングスペースです。
WeWorkは、米ニューヨーク発のベンチャー企業で、いわゆるユニコーン企業です。日本からは、ソフトバンクが2017年2月に総額30億ドル、8月に44億ドルを出資しました。
現在世界62都市で展開しており、計313か所の拠点を持ち、毎月のように新しいオフィスがオープンしていることから、コワーキングスペース業界では規模・知名度的にも世界トップレベルです。日本にも現在丸の内と六本木アークヒルズに計2件あり、近日中に新橋、銀座、神宮前にもオープンする予定です。
ロンドンはヨーロッパ最大級のWeWorkの中心地!
イギリスはWeWork最大のマーケットの一つです。ロンドン内に33拠点、マンチェスター内に2件あり、近日中にもあと2件オープンする予定です。
特にロンドン・モーゲート(Moorgate)オフィスは8階建で、世界最大級のコワーキングスペースと言われています。
WeWorkと他コワーキングスペース企業との違い
WeWorkならではの魅力は、豊富な料金プラン、デザイン、コミュニティ、プロダクトの4つがあげられます。
豊富な使用プラン
2018年3月時点で4つの料金プランがあります。いずれも1ヵ月単位で契約できるので、オフィスを始めるには敷居が低くなっているのが魅力です。
他のコワーキングスペース同様、ホットデスク(Hot desk)、指定のデスク(Fixed desk)、オフィススペースがあります。その他、1フロアもしくはビル丸ごとを自分のオフィスにカスタマイズするカスタム・ビルドアウトプランまであるのは、規模の大きいWeWorkならではと言えます。ショールームなどを専用スペースを作ったり、フロア全体をスタジオや大きな会議室にしたりと、カスタマイズが可能です。
こだわりぬいたデザイン
WeWorkがこだわっているのが、オフィスのデザイン。とてもオープンな空間で、ホットデスクエリアとオフィススペース両方があります。オフィス間の仕切りや扉は全て天井から床までガラス張りで、開放感がある上一つの”コミュニティ”として繋がっているような感覚が生まれます。また、授乳室を用意したり、段差を無くしたりと、ワーキングマザーや車いす利用者にとっても使いやすい設備設計へのこだわりも見られます。
プリンターや会議室、キッチンなどは全て共有です。いつでも使えるキッチンには、無料のコーヒー・お茶やフルーツウォーターなど、様々なドリンクにアクセスできます。電子レンジや簡単な調理器具も置いてある。無料のビールサーバーまで付いており、5時以降は仕事後に楽しく会話しながら顧問エリアでくつろぐワーカー達の姿も見られます。
このように、各オフィスが持たないことで、安く高い品質のサービスを手に入れることができます。
世界規模のコミュニティ
先述したとおり、デザインがとてもオープンで交流を促進させるようなもの。この中心にあるのが、WeWorkの最大の特徴、コミュニティの広がりです。
イベントはどのオフィスでも毎日最低1〜2個あり、ほとんどが無料です。ビジネス系の勉強会やトークもあれば、単純にメンバー同士が交流できるもの、また昼休みや仕事後の時間帯に楽しめるヨガやペディキュアなどのウェルネス系のイベントもあります。先日はチームビルディングイベントプランナー会社がお寿司のワークショップを開催しており、Tokyoesqueのメンバーで訪れたりもしました。
各オフィスではコミュニティ・マネージャーがおり、オフィスに関する全てのサポートを行なっています。イベントの企画などにも力を入れていて、月〜金の9時〜18時まで常駐しており、ます。
プロダクト
WeWorkのメンバーになれば、メンバー同士のプラットフォームにアクセスできます。今やWeWorkの拠点は世界中にあるので、繋がりは世界規模。例えば、他国へのビジネス展開を検討している企業が現地の情報を尋ねたり、都市・国をまたいで人材を探したりもできます。ビジネスユースのSNSとしてはLinkedInが有名ですが、メンバー専用の求人ページもあるため、WeWorkコミュニティの中で同じように仕事の受発注としての活用ができます。
とくにこの「ネットワーク」はユーザー内でもとても高評価です。ユーザーの中では、“似たような価値観や目標を持つ個人と出会える素晴らしい場所。共に最先端のイノヴェーションを起こし、既存のビジネスを越え、より優れたものを提供するためにはぴったりな場所”というようなコメントもあります。
起業家のRamon Ray氏は、次のように述べています。
WeWorkの一番好きなところは、アクセスしやすいファシリティと、いつでも助けやサポートをを求められるオンライン・オフライン両方におけるネットワークです
どうして成長したか?
創業者のこだわり
創業者アダム・ニューマン氏とともにCEOであるミゲル・マケルビー氏はこういいます[1]。
人に囲まれ、より身の回りのモノを減らし、物理的な成功よりも自分のパッションと生きがいに忠実に行きたい人のために、何ができるか?ということをいつも問いかけてきた。
これがWeWorkの創業のコアの思想だといえます。
公式ウェブサイトにも、人々とのネットワークと個々人の生きがいを重視するオフィスづくりの思想が伺えます。
WeWorkは企業や個人が共に成長するグローバルなワークスペースコミュニティ。 職場を、クリエイティビティ、集中力、コネクションをうむダイナミックな空間に生まれ変わらせる。…これにより、多くのCEOがお互いを助け、家にいるような便利さと快適さを享受し、仕事にホンモノの価値を見いだすことで月曜日を楽しみにさせるような空間を生み出すことができるとのこと。
WeWorkのミッションには、“To Create a world where people work to make a life, not just a living”とあります。生きるためだけでなく、好きな生き方を生み出すような世界を作りたい、というような意。
デザイン的にもこだわりが大きい。公式ウェブサイトには、“Space as an experience” 「経験としての空間」とあります。集中力、イノベーション、効率度をあげるのに必要なのは、コーヒーやプリンターだけではない。ヨガ、アートインスタレーションなど、ここで働く人々全員がポジティブな刺激が受けられる空間を提供するーと述べています。
オフィス展開の効率化
WeWorkのオフィス展開のスピートは目を見張るものがあります。その秘訣は自社開発した建物の設計・施工の3次元シミュレーションソフトウェアです。これを使って、新しいビルやオフィスを素早く試作し、空間のデザインまですべてデジタルに行なっています。メンバーにとって最適な空間を作り出すとともに、それを効率よくやっているのが秘訣です。テクノロジーを駆使してよりよいオフィス空間を提供しているWeWorkは、テック企業としても期待が高まっています。
WeWorkの今後
まだまだ伸びている!
すでに845億円以上の利益をあげており、アメリカではUberとAirbnbについで企業評価価値が3位のWeWork。2017年はには、20億米ドルの利益、前年に比べ88%の上昇でした[1]
競合他社が増えてきている中、グローバル大企業のアマゾン、マイクロソフト、IBMのために、比較的従業員が少ない街にオフィス拠点を増やしています。
さらに今月、デジタルマーケティング会社の Conductorを買収しました。オフィススペース業界の外にビジネス展開し、またWeWorkメンバーに限らず、より多くの人々にアクセスしやすい商品やサービスを展開する予定だそうです。
コワーキングスペース業界を越えて
このように急速に成長していますが、コワーキングスペース業界だけに止まらない展開を今後予定しています。たとえば、2016年より正式に生活の場である家と職場を合わせたコーリビングスペースを展開開始しました。設立当初からの計画だそうですが、ニューヨークにはスタジオがオープンしたり、そのほか居住スペースと共有スペースがあるスペースを展開してます。また、WeWork Wellnessはフィットネスセンターの展開を予定しています。
また、オフィス管理という側面ではプロフェッショナルなWeWork。これを強みに、各企業の経理などといったバックオフィス業務のアウトソース先として発展してくという見方もあります。欧米企業ではすでにこう言った業務が外注になるトレンドがあります。というのも、各企業でオフィスを各々管理しているのは非効率的という意見もあるので、十分にありえます。リモートワークなども含めて、働き方の環境がこれからも変わっていくと言えます。
まとめ
競合他社が多くなってきている中でも、WeWorkはやはり規模・知名度的にも世界トップレベルです。使用プランの豊富さ、デザイン、ネットワークなどが人気の理由です。海外進出、特にイギリス展開をお考えの方は、ぜひコワーキングスペースを検討してはいかがでしょうか?弊社もWeWorkにオフィスを構えていますので、WeWorkに関するご質問やご相談も、お気軽にお問い合わせください。
また、WeWork含め他にロンドンで注目のコワーキングスペースのリストはこちらを参照ください。