イギリススタートアップ協業事例:日系企業と提携・投資など

1. 日系企業とイギリススタートアップの事業協力

前回の記事(「日本へイギリス企業誘致!日本進出している英国スタートアップ」)でみたように、日本では官民共にビジネスチャンスとして海外企業誘致に力を入れていれています。日本拠点を展開しているスタートアップも多い一方で、日本オフィスがなくとも、日系企業と協力し、事業を展開している企業もたくさんあります。

今回の記事では、このように日系企業と共に事業を展開するイギリスのスタートアップをご紹介します。

2. 日本企業とコラボしているイギリス企業リスト

2.1. オックスフォード・ナノポア・テクノロジーズ/Oxford Nanopore Technologies

オックスフォード・ナノポア・テクノロジーズ(以下ナノポア社)は、遺伝子解析サービスを提供するスタートアップ。いわゆるユニコーン企業で、2018年3月時点での企業価値評価が15億5000万ドルとされている。

世界初で唯一のナノポアDNA シーケンサー 、MinIONを開発したことで有名。これは ポケットに入るほどのDNA/RNAシークエンサーで、「誰にでも簡単に生物学的分析をもたらすように設計されたポータブル、リアルタイム、ロングリード、低コスト」を売りにしている。科学研究や環境モニタリング、食物連鎖の監視などに役立つとされている。

他にも、NASAでも使われているような最先端テクノロジーを開発しており、現在ホットなバイオテック企業といえる。

このナノポア社が協力しあっている日本企業が、タカラバイオ株式会社。バイオテクノロジーを利用し、遺伝子工学技術を中心とする研究開発型企業。ここで、今年3月、本スタートアップのサービスの導入を開始[1]。環境観察や疫病情報の処理への活用が期待されている。

2.2. スマップエネルギー/SMAP Energy

英国ケンブリッジ大学発の産学連携スタートアップで、スマートメーターデータ解析技術を生み出している。 SMAP とはSmart-Meter Analytics Platformの略で、電力データ解析サービスをスマートメーターから取得し、電力会社に提供している。ロンドン・東京・マスカット(オマーンの首都)の3箇所にオフィスがあり、欧州・日本・中東の電力会社へすでに導入。

2017年6月30日、SMAP Energyは電力価格の比較サービスを提供するエネチェンジ株式会社(本社:東京都墨田区 代表取締役社長:有田一平)と経営統合。SMAP ENERGY社 CEOである城口洋平とふたりで、共同代表制。

SMAP ENERGYの持つ電力ビッグデータ解析の技術や知見を統合することで、電力比較サイトに活用し、電力会社へのサービスの質向上を狙う。

エネチェンジのプレスリリース[2]では、城口氏は次のように述べた。

このビッグデータを有用的に活用できている国はまだ多くはありません。他方、日本の電力市場は、自由化された18兆円市場として世界最大の規模を誇る魅力的な市場です。加えて、スマートメーターの普及やデータ活用は、イギリスをはじめとする欧州諸国よりも進んでいる先進的な市場環境があることから、日本市場に注目していました。

2.3. ライムジャンプ/Limejump

ビッグデータやクラウド技術を使い、VPP(Virtual Power Plants:仮想発電所)を手がけるユニークなベンチャー企業。2012年設立。ライムジャンプは、電力消費を最適化を売りに、ネットバイター(netbiter)を通して既にサービス展開中。

イギリスは世界でもエネルギー分野を先導する国だが、そこ中でも特に革新的なテクノロジーやビジネスモデルを展開しているリーディング企業の一つ。イギリスは、1990年代後半に電力市場が完全自由化となり、自由化が始まったばかりの日本の企業に向けて進出を計らう。

2月13日(火)、駐日英国大使館が主催する「英国エネルギーイノベーションセミナー[3]」にもライムジャンプは出席。Paul Madden 駐日英国大使は、開会の挨拶でこう語った。

英国と日本はお互いに島国であるなど多くの共通点をもっています。また、日本が今後の数年間にわたって直面すると思われる課題の多くは、1990年代には電力自由化に踏み切っていた英国がすでに経験してきたことであり、英国企業は日本の皆様にその知見を提供することができます。エネルギー分野における両国のコラボレーションは、現在および将来にわたる共通課題に対処するための非常に重要なアプローチとなります。

2.4. コンデコ/Condeco

2005年創業のワークスペーステクノロジー会社。オフィス内の有効なスペース活用や会議室のブッキングなどのためにサービスを提供。現在、Barclays, Chevron、GEなどのグローバル大企業を始めとする700社以上と提携している。2016年にはイギリス英国女王賞・企業部門(Queen's Award for Enterprise)という英国における企業の競争力、繁栄、評判に不可欠である基準「最高水準の品質」を達成した最高賞を受賞した。

日本においては、Vega Global Japanと連携しオフィスの各エリアがどのように利用されているかを解析し、ニーズにあったワークスペースソリューションを提供している。 例えば、利用頻度の少ない場所を識別することで、効率的なオフィス空間を生み出すようなデジタルサイネージ や予約システムを提供している。

2.5. モイクサ・エネルギー・ホールディングズ/Moixa Energy Holdings

2004年創業、ロンドンに拠点をおくスマートバッテリーの会社。電池管理のパイオニア。

スマートバッテリーとは、家庭に設置し、電気代が安い時に電気を蓄えるもの。Moixaでは、GridShareというAI技術を一般家庭用蓄電池に活用したプラットフォーム事業を展開している。これにより、余分な電力をグリッドに戻すスマートバッテリーのネットワークを支えることが可能。

2018年1月、日本最大の貿易会社のひとつである伊藤忠商事との提携に同意[4]。 この提携にはGridshareプラットフォームを世界市場に投入するための5百万ポンドの投資が含まれている。

日本は国内のエネルギー貯蔵では世界レベル。また、2020年以降、法改正のため家庭用電池はより広まる傾向があるとされる。MoixaのこのAI対応バッテリシステムは、日本の環境問題のためののソリューションを提供する期待をされている。

また、2017年4月、TEPCO(東京電力ホールディングス)もMoixaに50万ポンドを出資[5]。Moixaの一般家庭向けの蓄電池の普及拡大に、TEPCOも賛同。

3. まとめ

様々な業界にわたって、日本企業と事業提携をしているイギリスのスタートアップに注目しました。

2019年から2020年にかけての「日英文化季間」、大きなビジネスチャンスの機会です。 これを機に、イギリススタートアップ企業とのパートナーシップや、ヨーロッパ進出やをお考えの方は、ぜひ弊社までお気軽にお問い合わせください!

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