ロンドンがリードするテック分野「Tech For Good(テック・フォー・グッド)」:世界が注目するその理由とは?
ウォード 涼子
イギリス政府に後援されているイギリスの起業家ネットワークは、「テック・フォー・グッド(Tech for Good)」を「世界における最も難しい課題を解決するためのデジタルテクノロジー」と定義しています。
Read more “ロンドンがリードするテック分野「Tech For Good(テック・フォー・グッド)」:世界が注目するその理由とは?”イギリス政府に後援されているイギリスの起業家ネットワークは、「テック・フォー・グッド(Tech for Good)」を「世界における最も難しい課題を解決するためのデジタルテクノロジー」と定義しています。
Read more “ロンドンがリードするテック分野「Tech For Good(テック・フォー・グッド)」:世界が注目するその理由とは?” →モバイル銀行とは、スマートフォン・タブレットアプリを通じ利用できる銀行サービスのことです。前回の記事「ヨーロッパで一番キャッシュレスが進んでいる国4選!文化的背景、特徴【イギリス・スウェーデン・デンマーク・エストニア】」で見た通り、ヨーロッパでもキャッシュレス化が最も進んでいるイギリスでは、口座開設から利用まですべてオンラインで完結するデジタルバンクが大人気です。煩雑な手続きがなく、UX・UIもシンプルで使いやすいアプリを多くのチャレンジャーバンクが生み出しており、ミレニアル世代やZ世代がこぞって使用している新しい銀行の形がモバイル銀行です。
以前の記事「【モバイルバンキング】イギリスで人気のモバイル銀行アプリ6選!」でもイギリスのモバイル銀行アプリのトップ6社を取り上げましたが、今回は中でも知名度が高いMonzo(モンゾー)、Revolut(レボリュート)、Starling(スターリング)を比較し、それぞれのサービスの特徴を掘り下げます!
Read more “イギリスのモバイル銀行、3大アプリ比較!モンゾー/レボリュート/スターリング” →世界で最も活気のあるスタートアップハブとしての地位を確立して久しいロンドン。
EU離脱決定後でも、調達資金額は世界一多く、またヨーロッパのユニコーン企業( 企業としての評価額が10億ドル以上)の4割以上がロンドン発の企業であることから、衰えない勢いが伝わってきます。
スタートアップといえばフィンテック、と連想されがちですが、イギリスでは様々なニーズに合わせた多岐にわたるスタートアップがあります。今回の記事では、2019年下半期に最も注目されるイギリスのスタートアップである5社をご紹介します。
ランキングは、Startups100社のトップ10リストに準じています。本社のリストは最も長年続いているスタートアップ一覧です。トップ100社の一覧はこちらを参照ください。
Read more “ロンドンのスタートアップシーン。2019年下半期の注目スタートアップ10選!【後編:1~5位】” →世界で加速する「cashless (キャッシュレス)」の動き。
シティグループとインペリアル・カレッジ・ロンドンの調べによると、ヨーロッパは「Digital Money Readiness(電子マネーに対する即応性)」において特に優れていて、2019年は8カ国が世界のトップ15にランクインしています。また、韓国や中国ではキャッシュレス決済が全体の54%を超えると言われる中、日本はキャッシュレスに後進的で80%の支払いが現金で行われています。
Read more “ヨーロッパでキャッシュレスが進んでいる国4選!文化的背景、特徴【イギリス・スウェーデン・デンマーク・エストニア】” →世界で最も活気のあるスタートアップハブとしての地位を確立して久しいロンドン。
EU離脱決定後でも、調達資金額は世界一多く、またヨーロッパのユニコーン企業( 企業としての評価額が10億ドル以上)の37%以上がロンドン発の企業であることから、衰えない勢いが伝わってきます。
ロンドンのスタートアップといえばフィンテック、と連想されがちですが、イギリスでは様々なニーズに合わせた多岐にわたるスタートアップがあります。
今回の記事は、前編(1位〜5位)に続き、2019年下半期に最も注目されるイギリスのスタートアップである5社(6位〜10位)をご紹介します。
ランキングは、Startups100社のトップ10リストに準じています。本社のリストは最も長年続いているスタートアップ一覧です。トップ100社の一覧はこちらを参照ください。
Read more “ロンドンのスタートアップシーン。2019年下半期の注目スタートアップ10選!【後編:6~10位】” →プライドパレードとは、性的マイノリティともいえるLGBTQ+の存在を可視化し、性の多様性がより社会で受け入れられるよう働きかけ、誰もが自分らしく生きていける社会を促進するなどの目的の元行われているパレードです。世界各国で実施されている大規模なグローバルイベントで、ロンドンでは1972年より毎年実施されています。
Read more “≪後編≫大盛況だったロンドンプライドパレード2019!スポンサーシップとアクティベーション” →日本でも良く知られるようになってきている「プライドパレード」、みなさんはその意味をご存知でしょうか?
プライドパレードは、東京やロンドンを含む世界各国で毎年おこなわれているグローバルなイベントで、LGBTQ+のコミュニティーを「祝う」という意義があります。
Read more “≪前編≫大盛況だったロンドンプライドパレード2019!概要と特徴” →いよいよ東京2020まで約1年。
過去のオリンピック・パラリンピック開催地のデータを見ると、開催決定後、その国におけるスポーツツーリズムが活性化し、経済成長が高くなる傾向があることが分かっています。その重要な担い手として存在するのが、スポンサーキャンペーンです。
世界中が注目するオリンピックは、グローバルに事業を展開する企業にとってもスポンサーとして活躍しつつ、広告活動の権利を得るチャンスとなります。しかし、オリンピックのスポンサーとなり、自社の製品とオリンピックを絡めたキャンペーンをすることが許されるのはごく限られた企業のみ。そもそも、スポンサー企業はオリンピック委員会と契約を締結し、オリンピックの開催に必要となる運営費を契約金として提供する役割があります。その代わりに、オリンピック関連のロゴの使用や、会場における広告活動が許されます。
ちなみに、オリンピックのスポンサーには4つのランクがあり、ワールドワイドパートナー、ゴールドパートナー、オフィシャルパートナー、オフィシャルスポンサーに分かれています。国際オリンピック委員会(IOC)と契約するワールドワイドパートナーだけが、世界中でキャンペーンを実施されることが許されるのです(他3種のスポンサーは、自国のオリンピック員会と契約)。
本記事では、2012年ロンドン大会という切り口から、本大会で成功したキャンペーンと、その後、数々の大会に引き継がれた歴代キャンペーン事例についてご紹介します。何年にも渡って成功し続けているこれらのキャンペーンの特徴や成功の秘訣を読み解き、世界規模のキャンペーンを実施するにあたり抑えるべきポイントを考えていきます。
90年間ワールドワイドパートナーとしてオリンピックを支えてきた、世界的飲料メーカーのコカ・コーラ(Coca Cola)社は、2012年のロンドン大会で「Move to the Beat」キャンペーンを世界中で展開しました。
グラミー賞最優秀プロデューサー賞の受賞経験のあるMark Ronson (マーク・ロンソン)氏が作曲を手がけたキャンペーン曲「Anywhere in the World」は、彼自身が世界中のアスリート達に会い、集めた心臓音や息遣い、競技音を楽曲内に取り入れました。10代の若い世代を主な対象としたこのキャンペーンは、オリンピックの感動やエネルギーが音楽によって表現され、若者にオリンピックに積極的に関わってもらいたいという願いが込められました。
コカ・コーラのキャンペーンは、テレビなどの従来のメディアのみならず、デジタルプラットフォームを活用したことで注目されました。
「Global Beat」はフェイスブック上のアプリで、ユーザーはキャンペーン曲で使われた「Beat(ビート)」を使って独自のリミックス曲を作り、自身のフィードにシェアすることができます。
キャンペーン中、世界中で350万バージョンものユニークな曲が作られました。若者が仲間とシェアしたくなるようなデジタルコンテンツの提供や、それらを通して得られるユーザー体験の創造という面で、コカ・コーラは従来と違う新しいキャンペーンを展開しまし、これが成功の一因となったといえます。当時のTwitterには「Getting anxious to get cracking on that Coca Cola Olympics Games remix! #movetothebeat (コカ・コーラのオリンピックリミックス、早く試したくてうずうずする!)」というコメントも。
キャンペーン動画は、デスクトップ・モバイル上で2500万回再生され、SNS上では異例の2億回を超える広告表示と、46万回のクリック数を獲得しました。よってコカ・コーラは、ロンドン大会において2番目に多く言及されたブランドである、とされています。
「Move to the Beat」キャンペーンを通してコカ・コーラは、アクティブで健康的な暮らしを自社ブランドと関連づけるとともに、国籍や年齢を問わず楽しめる「音楽」を通して幅広い層へのアピールを可能としたと言えるのではないでしょうか。
若者やマイノリティ、知識層などを視聴対象とする番組構成で知られるイギリスの大手公共テレビ局のチャンネル4(Channel 4)は、2012年ロンドン大会以降、パラリンピックに特化したキャンペーンを実施。このキャンペーンは、一般の人々の障碍者の認識を変え、ダイバーシティを力強くポジティブに推進したとして注目を集めました。その影響力は絶大で、ロンドン2012年のパラリンピックは史上最高の観客数を記録したことから、今でも最も成功したパラリンピックとして語り継がれているほど。
2012年ロンドン大会「Meet the Superhumans」の続編となった2016年リオ大会の「We’re the Superhumans」のキャンペーンCMは、パラリンピックアスリートを含む140人の身体障碍者がバンドで演奏したり、子育て、タップダンスやロッククライミングなどをする自信と喜びあふれる姿が映されています。曲は歌手のSammy Davis Jr(サミー・デイヴィスJr.)の「Yes I Can」を、キャンペーンのために障害を持つ世界中のミュージシャンを集めて結成された「The Superhuman Band」がカバーしました。障害の持つ人々も、健常者も、誰しもがそれぞれ多様な能力を持ったユニークな「Superhuman(超人)」であるという、メッセージ性の強いものとなっています。
さらに、字幕と手話、音声ガイドのついたバージョンも放送され、史上最もアクセシビリティを配慮した広告となったほか、「The Superhuman Band」カバー曲の全利益をチャンネル4は英国パラリンピック委員会に寄付し、広く称されました。
イギリスは障碍者のアートやスポーツへの理解と支援が非常に進んでおり、例えば2年ごとに、Unlimited Festival(障碍者によるヨーロッパ最大のアートフェスティバル)が行われています。直近の2018年のフェスティバルには、40か国以上から参加者が集まい、東京からも多くのパラリンピック関係者が視察に来場しました。
それまで関心の低かったパラリンピックの見方に大きく変革を起こし、多様性を理解し、受け入れようという姿勢を示したチャンネル4。話題になった分、さまざまな議論も起こりました。
例えば、フリーライターのLucy Catchpole氏はThe Guardian(英ガーディアン紙)の記事で、「We’re the Superhumans」 キャンペーンが伝えようとした「Yes I can(私はできる)」、「there’s no such thing as can’t(できないことはない)」というメッセージについて、疑問を感じたと語っています。
彼女は、自身の障害と重ね合わせて考えたときに、広告の中で描かれた「Superhuman」像は、障害があるためにできないことがある人々が、自分が不出来であると考えることに繋がりかねないと主張。障害とともに生きる、ということは、できないことがあることを受け入れることなのではないかと記事に書いています。また、インデペンデント紙の記事で、コラムニストのJames Moore氏は、自身を含む多くの障害者は、「Superhuman」になりたくはなく、仕事ができ、楽しい人生を送りたいのだと、批判しました。
このように、世界が注目するオリンピックにおいては、多様性を尊重しつつ、様々な見解や立場を持つオーディエンスに合ったキャンペーンの制作も大切になってきます。
ヘルスケア製品全般を幅広く扱う一般消費財メーカーのP&Gは、2012年のロンドン大会以降の全大会で、ワールドワイドパートナーとして、「Thank You, Mom(ありがとう、ママ)」をテーマに世界中でキャンペーンを実施しました。
このキャンペーンを通してP&Gは、オリンピック選手を陰で支えた母親たちを称え感謝の意を送ると共に、暮らしに寄り添う商品やサービスを通した世界中の「ママ」の応援に取り組んでいます。特に、2018年平昌大会の「ゆるぎない母の愛」篇CMは、オリンピックの精神を称え、すべての人が平等で公平な機会を与えられる世界になることを願い制作されました。
4作目となったこのCMはオリンピックアスリート達の実体験をもとに作られており、人種や出身地域の違いにより競技に適さないという先入観を持たされた少女や、LGBTであることを理由に周りから敬遠された少年、スポーツがしたい義足の少年などの物語が母親目線で描かれました。全20カ国で異なるバージョンが放映されたこのCMは、成長の過程で周りからの偏見や差別を感じる子どもを無条件にサポートする母の愛を通し、誰もが平等に自分の夢を追い求められる世界に、というメッセージが伝えられています。
キャンペーン中P&Gは、売り上げの一部や自社主要ブランド(パンテーン、パンパース、ジレットなど)の寄付等計500万ドルを青少年のスポーツプログラムの支援にあて、CSR活動への積極的な姿勢を示しました。
またこのキャンペーンは、オンライン、YoutubeやFacebookなどのソーシャルメディア、テレビ、紙媒体で広く展開されました。さらに、「Thank you, Mom」モバイルアプリで、消費者が母親に「ありがとう」のメッセージを動画、静止画もしくは文章で作成し、送ることができるようなデジタルキャンペーンも実施し、話題になりました。
P&Gはこのオリンピックキャンペーンを通して、自社の企業倫理に沿った社会貢献を実現したと言えます。
スポンサーとしてオリンピック開催を支えるコカ・コーラ、チャンネル4、P&Gの3社の過去のオリンピックキャンペーンを例にとり、それらの注目すべき特徴を紹介しました。
キャンペーンが世界的に注目された理由として、
が挙げられます。また、自社ブランドのアピールするだけでなく、様々な文化や価値観を尊重しながらスポンサー活動していくということも、課題となります。
2020年の東京オリンピックにおいて、ワールドワイドパートナーとなっている日本企業は、パナソニック、ブリヂストン、トヨタ自動車の3社。日本のトップ企業として、自社製品を提供し企業ブランドを高めるだけでなく、世界規模でのキャンペーンの実施にも期待が高まります。
オリンピックに関わらず、日本から世界規模のキャンペーンを発信する際には、このようなキャンペーン成功例を参考にしてみてはいかがでしょうか。弊社では、マーケティングに関する様々なカスタマイズ調査レポートサービスを提供しています。お気軽にお問い合わせください!
フェアトレードのコーヒーや紅茶、プラスチックストローの廃止など、エシカルな世の中への動きがさらに勢いをつけてきた近年。日本では、「エシカルファッション」が主に注目されていますが、欧州ではファッションを越えて、食べ物、エネルギー、医療品などさまざまなもののエシカルなコンサンプション(消費)への動きが活発になっています。
Read more “ヨーロッパではもう当然!エシカル消費(Ethical consumerism)の注目キーワード6選” →よく耳にするようになった、ウェルビーイング(Wellbeing)、ウェルネス(Wellness)、マインドフルネス(Mindfulness)といったワード。それぞれ健康に関わるということはわかるけど、実際の違いは何?と思う方も多いと思います。
Read more “ヨーロッパにおけるウェルビーイング、ウェルネス、マインドフルネスのトレンド” →This website is using cookies to improve the user-friendliness. 続行するにはCookieの利用に同意してください
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