【起業家ビザ】イギリスでスタートアップを始めるために

 出典:https://flic.kr/p/21798va

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1. イギリスの起業家ビザの仕組み

今スタートアップがどんどん伸びているイギリスに進出することを考えたとき、まず気になるのは就労ビザだと思います。EU圏外の住民の場合は、イギリスで起業するために必ずビザが必要になります。今回の記事では、起業家ビザの概要と取得方法をご説明します。

イギリスは不法労働にとても厳しい国なので、スムーズに手続きを進めるためには、応募条件を確認し、必要書類を準備し、正確に手続きを進めることが大切になります。

まず、イギリスで就労が認められているビザのは以下の通り。

  • Tier1 ビザ
  • Tier2 ビザ
  • Tier5 ビザ
  • 単独代表者ビザ
  • EEA(欧州経済領域)家族ビザ

この中のTier1の中に起業家向けのビザがあります。

1.1 就労ビザ Tier 1

さらに、Tier 1 の中には以下の4種類があります。

  • 高度技能者ビザ
  • 投資をする人のための投資家ビザ
  • 起業家ビザ Tier 1 (Entrepreneur) visa
  • 大学卒業生起業家ビザ Tier 1 (Graduate Entrepreneur) visa

この最後のふたつが、名前の通りイギリスで起業をし、その活動に携わることを許可します。自営業者も含まれます。また、家族など同伴者を連れて渡英することも可能です。 ただ、自分が働く企業以外の仕事は認められていませんので注意が必要です。

起業家ビザの場合、初回申請時に3年4ヶ月(英国外から申請)、3年(英国内からの申請)の滞在が認められ、2年の延長が可能です。また、原則5年を経過した時点で、イギリス永住権の申請が可能です。

一方、大学卒業生起業家ビザの場合、滞在期間は1年間までと短くなっています。最長1年まで延長する申請もできます。

2. ビザ取得基準

詳細はUK Home Offieceのホームページで確認できますが、基準は以下の通りです。

  • 5万ポンド以上の資金証明
  • 英語力(IELTS4.0以上)の証明

一方、大学生起業家ビザの場合、5万ポンド以上の資金証明はいりません。代わりに、卒業した高等教育機関もしくはイギリス政府の国際通商部(DIT: Department of International Trade)からの推薦が必要です。

3. 必要書類

申請に必要な書類は以下の通りです。 全て正式に翻訳されていなければならないので注意が必要です。

3.1. 英語力を証明する書類

CEFRのB1 レベル以上が必要となります。これはIELTS4.0(IELTS = アイエルツ、イギリス政府が認定する英語能力判定テスト)と同等レベルです。

一方、大学卒業生起業家ビザの場合は、イギリス国内の大学を卒業していることだけで英語力の証明になることがほとんどです。


 出典:http://www.eiken.or.jp/ielts/

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3.2. 資金を証明する書類

Tier 1の起業家ビザの場合、1) 5万以上、もしくは2) 20万ポンド以上、の2択があります。 5万か20万の資金額により、申請基準が異なるので、詳細はホームページをチェックしてください。以下は基本事項です。また、大学卒業生起業家ビザの場合、これは必要がありません。

 出典:https://flic.kr/p/Up59ai

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1) 5万ポンド以上の場合

“You must have access to at least £50,000 investment funds to apply.”とあります。最低でも5万ポンド以上の投資資金が必要ということです。

この資金(funds)とは:

  1. 一つ以上の金融機関に預金されている

    “held in one or more regulated financial institutions”

  2. イギリスで自由に使える資金

    “free to spend (‘disposable’) on business in the UK”

の両方を満たさなければなりません。


また、この資金は以下の少なくとも一つを満たすような資金源でなければなりません。

  • 英国政府の国際通商部(DIT)より承認されたシードファンディング

    “A UK entrepreneurial seed funding competition endorsed by the Department for International Trade (DIT)”

  • イギリスで起業、あるいは活動展開を行うために英国政府が提供した資金

    “UK government department making funds available for the purpose of setting up or expanding a UK business”

  • 金融行動監視機構(FCA)に登録されたベンチャーキャピタル

    “a venture capital firm registered with the Financial Conduct Authority (FCA)”

また、イギリス政府やシードファンディングからの資金を受け取っている場合は、正式なレターが必要です。


あるいは、申請時12ヶ月前までに、すでに5万ポンドをイギリス企業に投資済みであればこれだけで基準を充します。

 出典:https://flic.kr/p/pLSt2b

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2) 20万ポンド以上の場合

一方で、20万ポンド以上の資金の場合、源泉が以下をいずれかを満たしている必要があります。

  • 自分の資金

    “your own”

  • サードパーティーから贈与された資金(家族・配偶者・パートナー、もしくは投資家)

    “made available to you by other people (‘third parties’), such as a spouse, partner or investor”

  • 配偶者・パートナーと同じ口座から提供している投資家(ただし、Tier 1 (Entrepreneur) visaに応募中である投資家は不可)

    “in a joint account with your spouse or partner but only if they aren’t applying for a Tier 1 (Entrepreneur) visa”

また、これらの資金はイギリスになければなりません (“The funds must be held in the UK if you’re applying for leave to remain.”)。


自分の資金の場合、イギリス国内にある場合は銀行のレターやバンクステートメントが必要です。サードパーティーからであれば、それぞれ正式な証明書が必要です。

こちらも申請時12ヶ月前までに、すでに20万ポンドをイギリス企業に投資済みであればこれだけで基準を充します。

3.3. 犯罪経歴証明書

住まいによって異なるかもしれませんが、少なくとも東京で犯罪経歴証明書を取得する場合は、外務省・領事サービス室・証明班のご担当者に連絡する必要があるそうです。 先に警視庁に行くのではないのが、注意点です。

また、大学卒業生起業家ビザの場合、犯罪経歴証明書は必要がありません。

3.4. その他

上記の他、起業家ビザの申請には以下の書類が必要となります。

  • パスポート
  • ビジネスプラン
  • 資金ファンドとは別で、自分をサポートするための生活費(イギリス国外からの申請の場合は3,310ポンド以上、90日間以上保持している必要がある)

大学卒業生起業家ビザの場合は、

  • パスポート
  • 高等教育機関または国際通商部からの推薦状
  • 資金ファンドとは別で、自分をサポートするための生活費(イギリス国外からの申請の場合は1,890ポンド以上、90日間以上保持している必要がある)

4. 申請方法

 出典:https://www.visa4uk.fco.gov.uk/home/welcome#

出典:https://www.visa4uk.fco.gov.uk/home/welcome#

渡英する3ヶ月前から応募できます。逆に言えば3ヶ月を切らないと応募できないということです。結果は3週間程度で届くそうなので、他のビザに比べたら決断が早いメリットがあります。

必要書類がそろったら、オンラインでビザの申請を行います。 申請はUK visas and immigrationのサイト、Visa4UKという英国政府のサイトで全てオンラインで行います。 なお、申請を完了するには東京または大阪のUKビザ申請センターの来館予約が必要となっています。

申請料金は、基本的には1,228ポンドです。ビザ発行を優先してもらうサービスを選択すると、料金は上がります。

また、ビザ申請料のほか、移民医療付加金を支払う必要があります。 料金は1年につき200ポンドとなっており、たとえば5年のビザを申請する際は、1,000ポンド支払う必要があります。

5. まとめ

こちらの情報は全てHome Officeの公式ホームページを参考にしました。より詳しいガイダンスハンドブックはこちらを参照ください。 海外向けに投資誘致を行っている英国の非営利組織「London & Partners(L&P)」へ相談することもおすすめです。

※2018年3月現在の内容です。情報には正確を期しておりますが、EU離脱決定により労働ビザ法も刻々と変わっていますので、必ず政府のホームページでご確認することをお薦めします。本記事の内容によって受けた不利益については、弊社は一切の責任を負いませんのであらかじめご了承ください。

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