イギリスのブロックチェーン・仮想通貨事情

 出典: Thought Catalog  on  Unsplash

1. イギリスのブロックチェーン事情

イギリスは官民ともにブロックチェーンに非常に力を入れている国の一つです。

2018年6月16日にも、2022年までにイギリスがブロックチェーン技術と仮想通貨分野でグローバルリーダーになる可能性が大きい[1]と英ガーディアンが報道したことで、話題になっています。

2017年から2018年にかけて、ブロックチェーン企業に500億ポンド以上(約740億円)の投資をイギリスが行ったことは、ブロックチェーン技術先進国を目指す上での真剣さを物語っています。ブロックチェーン発展の背景には、権力を分散化し、人々がみな平等に、より安全に、様々な情報にアクセスできるような社会のオープンの実現へのグローバルな動きがあります。

この記事では、各セクターにおいてどのようにブロックチェーンが使われているのか、詳しい事例を見ていきます。

2.セクター別事例

仮想通貨・ビットコイン

イングランド銀行/Bank of England

出典:https://www.education-show.com/the-education-show-suppliers-list/bank-of-england

2018年7月、イングランド銀行(BoE)はペイメントシステムを大幅にアップデートする準備を進めており、ブロックチェーンテクノロジーに対応できる最新決済システムにすると発表。2020年の開始を目指している。

これは現在イングランド銀行が最新化を進めているReal-Time Gross Settlement system (RTGS)の一貫である。このRTGSは、年間‎5000億ポンドという国全体の支出の三分の一に近い額を取り扱いしており、最新のアップデートによりサイバー攻撃を防ぐ目的がある。

また大手銀行を仲介せずとも、多くの中小企業が直接利用できるよう改善する。最新のシステムはdistributed ledger technology (DLT)をつかってフィンテックとの協業を可能にすることにも言及。

バークレー銀行/Barclays

出典:www.barclayscorporate.comwww.barclayscorporate.com

300年近い歴史のある大手銀行、バークレーズ銀行。

2018年7月、自社独自のブロックチェーンを活用するシステム2件に関し、特許を取得した[2]。一つ目は暗号化された仮想通貨を転送する際のもの。二つ目はその転送データを記録、保管、検証するためのものである。

BCB ATM

出典:bcb-atm.com

イギリス発のビットコインATMスタートアップ。2017年から急成長し、11ヶ月間で利益が528.07%も上昇し、国内業界トップクラスの地位をあっという間に築いた。

2018年4月時点で、イギリス内でのシェア率は16%から28%までに上昇し、国内にある113台のビットコインATMのうち32台はBCB ATMのもの。サービス開始当初は7台のATMだったが、同年4月では32台も展開しており、今後は毎月5~10台増やしていくとCEOランドリー(Landry Ntahe)氏は意気込みを見せている。

ヘルスケア

メディカルチェーン/MedicalChain

出典:Oracle Times

ビデオ経由の診察と、医療費を仮想通貨で支払えるMyClinic.comというアプリケーションのパイロットプログラムが行われている。イギリスの医療業界における初のブロックチェーン仕様の試みといわれる[3]

これはMedicalchainによるブロックチェーンプラットフォームを通じ、医療記録が患者と医者間で確実な交換ができるようになっている。

このパイロットプログラムに参加しているのがThe Groves Medical Groupという4つの医療センター。2018年3月より、より多くの患者に自分の医療記録へのアクセスをより簡単にし、柔軟である医療サービスを提供するために協業を開始。

各患者は、自分で医者を選び、ビデオ診察を予約し、医療費をMedTokensという仮想通貨を使って支払いができる。アメリカトップの医療機関The Mayo Clinicとも提携済み。

シーレ/Seele

出典:Medium

Seeleはロンドンにも拠点のあるブロックチェーン企業。

スマートコントラクト(取引契約の認証から決済までを自動で行うこと)技術を持ち、医療の研究開発にも展開している。

最近ではオックスフォード大学の人工知能やブロックチェーンに詳しいジョン・フォックス教授との協業[4]で、医療研究とサービスマネジメントへの応用を開発中。このスマートコントラクト技術がAIと合わさることで、様々な形で医療の現場を革新することが期待されている。

教育・オープンデータ

イギリス公文書館/The National Archives

出典:LondonTown.com

イギリスの国立公文書館では、ブロックチェーンプロジェクト「Archangel」が進行中[5]。ギルフォードの大学サリー大学との協業による。

これまで公文書館のあり方は、政府が中心となった中央集権型。国の大事な書物なども保管しているが、そのような情報の民主化を訴える動きがイギリスだけでなく世界中で起きている。権力を分散化し、人々がみな平等に、より客観的で政治的思惑に影響されない形で様々な資料へのアクセスを可能にするのが、ブロックチェーン技術である

オックスフォード大学/Oxford University

出典:Woolf: Building The First Blockchain University

英オックスフォード大学の教授グループは ブロックチェーンの大学、ウルフ大学(Woolf Univeristy)を設立。

ウルフ大学のホームページによれば、「高等教育の民主化を目指し、世界初のブロックチェーンを完備した大学[6]」とのこと。

独自のトークンから、スマートコントラクトによる教授の契約や学生の授業管理や学費管理まで、様々な側面においてブロックチェーン技術を活用。それにより権力の分散化を図り、学費を下げ、教授の給料を確保し、高等教育の経済構造を改めることに注力する。

さらには他大学ともパートナーシップを組み、ブロックチェーンによる事務作業のコストなどを下げる仕組みの知識共有に努める。

環境・エコロジー

リバプール市議会/Liverpool City Council

出典:Marcus Cramer on Unsplash

今月、初のブロックチェーンを使った二酸化炭素排出量を減らす試みをリバプール市議会が発表[7]

ブロックチェーン業界を代表する企業の一つ、The Poseidon Foundationと今月契約を結び、2020年までにリバプールを世界初のブロックチェーンを使用した環境対策シティを目指す。

The Poseidon Foundationが提供するブロックチェーン技術を使用したプラットフォームにより、人々の日々の生活・活動が環境にどのような影響を与えているのかを精密にトラックし、森林保護など環境保護の活動に繋がるような仕組み。2030年までに、全体の二酸化炭素排出量を40%カットする目標[8]

3.まとめ

Dag Grobal の責任者、Sean Kiernan氏はイギリスのブロックチェーン技術の未来について、次のように語っています[9]

イギリスは、フィンテック業界をリードし、世界の金融市場のハブを作り上げている。これと同時に、ブロックチェーン技術と仮想通貨の市場を引っ張るポテンシャルを現しはじめている。現在の金融市場と仮想通貨市場の間のギャップはまだ埋まっていないが、この溝が今後数年かけて縮まり、いずれ消滅すると考えている。

イギリスはブロックチェーン、仮想通貨市場の中心プレーヤーとして引き続き力を発揮していく模様です。

イギリスにおけるブロックチェーン、仮想通貨事情に関してより詳しく知りたい場合は、弊社までお気軽にお問い合わせください!

Tokyoesqueについて

logo (Text Only) 2.png

東京エスクはロンドンを拠点とするマーケット・リサーチ・エージェンシーです。弊社は日本のビジネスがヨーロッパのマーケットに、ヨーロッパのビジネスが日本のマーケットに進出するのをサポートいたします。 ヨーロッパと日本との相互理解を促進するとともに、カルチャーという視点から、あらゆる問題を見直す事で、新たなビジネスチャンスを発見いたします。 ご関心のある方は、どうぞホームページで詳細をご確認ください。 https://tokyoesque.com

archive Block
This is example content. Double-click here and select a page to create an index of your own content. Learn more
logo (Text Only) 2.png

東京エスクはロンドンを拠点とするマーケット・リサーチ・エージェンシーです。

以下のようなサービスを通じて、海外で日本のビジネスを展開するサポートを致します。

  • マーケットリサーチ
  • 海外進出サポート
  • ローカリゼーション

ご関心のある方は、弊社までお気軽にお問い合わせください。

お問合せ