2019年下半期の注目スタートアップ10選!【前編:1~5位】

By Naoko Nomoto

出典:  Bob Blob  on  Unsplash

出典: Bob Blob on Unsplash

世界一のスタートアップシーン、ロンドン

世界で最も活気のあるスタートアップハブとしての地位を確立して久しいロンドン。

EU離脱決定後でも、調達資金額は世界一多く、またヨーロッパのユニコーン企業( 企業としての評価額が10億ドル以上)の37%以上がロンドン発の企業であることから、衰えない勢いが伝わってきます。

スタートアップといえばフィンテック、と連想されがちですが、イギリスでは様々なニーズに合わせた多岐にわたるスタートアップがあります。

今回の記事は、2019年下半期に最も注目されるイギリスのスタートアップである5社をご紹介します。

ランキングは、Startups100社のトップ10リストに準じています。本社のリストは最も長年続いているスタートアップ一覧です。トップ100社の一覧はこちらを参照ください。

2019年下半期の注目スタートアップ!トップ10社【前編】

Revolut(レボリュート)

一位に輝いたのは、言わずと知れた、ロンドン発のチャレンジャーバンク。

フィンテックの激戦区であるロンドンでも、最も注目を浴びているデジタル銀行。

レボリュートをはじめとする企業には、モバイルバンク、デジタルバンク、モバイル銀行など様々な名前がありますが、要するにスマホアプリだけで営業する銀行のことです

これらのデジタル銀行の特徴は、銀行開設、デビットカード申請(プリペイドクレジットカードのようなもの)、海外送金、家計簿機能、為替、がすべて無料で使えることです。

特に魅力的なのは、為替手数料が無料で、為替も最良のレート(銀行間レート)で換金してくれること。アプリ内では自動で支出入が記録され、コンタクトレスにも対応。

基本情報

・150通貨以上での海外引き出しが可能。海外でデビットカードを使用する場合は常に安い銀行間レートで行われ、ATMの引き出しも手数料無料かつ月々200ポンド(3万円ほど)まで最安価レートで行われる。その後は2%の手数料がかかる。

・2015年に元Credit SuisseとDeutsche Bankの投資銀行員の投資を受け設立し、設立当初の理念は「海外での支払いを簡単に」。今でも海外でのデビットカード使用、ATM利用(上限あり)は無料。

・ヨーロッパだけで500万人ものユーザーを誇る。

・子供向けのアプリを開設中。

・募金の形をデジタルによって改革。2019年7月、カードの支払金額を最も近い整数へと切り上げ、切り上げた金額分チャリティーに寄付される新機能を追加。カード決済の金額を四捨五入する方法に加え、日・週・月ごとに一定の金額を設定することも可能。Save the Children、WWF、LGBTQ+ のサポートを行うILGA-Europeの3つの慈善団体と提携している。また、寄付目的をタップすると、個人が寄付した金額と、世界中のユーザーが寄付した総金額を確認することもできる。もちろんタップ一つで、寄付を中止することもできる。また非常に魅力的なのが、非営利団体は一切手数料を払わなくてすむこと。

・日ごとに支払い可能な、簡単な保険機能。スマートデバイス。

また、7月11日付でベルリンに拠点をオープンする予定と公表しています。ベルリンにはすでにN26などのフィンテックの競合が存在しますが、すでに15万人のRevolutユーザーがおり、今後は手数料無料の株式取引機能にも取り組む予定。これはヨーロッパでのRobinhoodのライバルとなります。

Igloo(イグルー)

ヨーロッパでは「Biodegradable・Compostable(生物分解性の)プラスチックの生産が多くなってきています。日本は「プラスチック過剰な国」と海外メディアでは多々報じられているからこそ、日本でもセブン・イレブンが2019年7月よりおにぎりの包装を植物性プラスチックにするという取り組みのニュースは海外でも大きく取り上げられました。

Glastonbury Festival(グラストンベリー・フェスティバル)

ちょうど先週末行われた、Glastonbury Festival)は、イングランド・ピルトンで1970年から行われている大規模野外ロック・フェスティバルです。2019年現在、世界最高峰とされる世界最大規模のロック・フェスティバル。

フェスの飲食パートナーである大手スーパーCo-opは、期間中提供される飲食の包装はすべて100%生物分解性のプラスチックで生産しました。サンドイッチやカンなどが対象。

さらに大胆なのが、ペットボトルの販売・持ち込みが一切禁止されたことです。これは先述の 1. Plastic Free の事例でもあります。

CO2 Footprint(カーボンフットプリント)


炭素の足跡」と訳されるように、個人や団体、企業などが生活・活動していく上で排出される二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量のこと。

近年では、ヨーロッパ地域内の商品にはこのカーボン・フットプリントが徐々に表示されるようになり、一般的に製品が販売されるまでの温室効果ガス排出量が表記されています。

Oatly(オートリ―)

中でも、先進的な表記の仕方をしているのは、オート麦ミルクを販売する、スウェーデン発のOatly(オートリ―)社。

環境・動物への配慮が増していく中、ヨーロッパでは、豆乳と並んでライスミルク、アーモンドミルクなど、植物性の代替ミルクが偏在しています。たとえば、Oatly社のオートミルクは通常の牛乳より73%ものCO2排出量を削減できるとのことで、多くの消費者やカフェ・レストランが牛乳から切り替えています。

Oatly社の商品の特徴は、デザイン性が高い上、とことん環境に気を使っていること。パッケージは紙パックなのはもちろん、とにかくカーボン・フットプリントを透明化しています。パッケージに表記しているうえ、その数値が高いのか低いのかを、事例を用いて説明しています。CarbonCloudというサービスを使いCO2を計算しているということや、年次サステナビリティ・レポートをウェブサイトにて公開しています。ここまで透明化する信念の背景として、世界の大気汚染に加担している比率として、交通は14%である一方、飲食業界は25%にも上ることを、理由として挙げています。

出典:筆者

出典:筆者

Cruelty Free(クルエルティ―フリー)

これはヨーロッパで広く認知されている基準で、商品生産の過程で、動物が傷付けられたり殺されたりしていない事を証明する認定証明です。動物実験だけでなく、動物由来の成分を取るために殺すこともこれに含まれます。

Ethical Consumer社によれば、全世界の80%もがいまだに化粧品の動物実験を許可しているとのこと。イギリスでは2013年以来違法となっている一方、日本は世界でもクルエルティーランキングのワースト2位にランクインしています。

Cruelty-Freeなブランド例として、コスメブランドのLush社やThe Body Shop社、Ecover社などがあります。これらはすべてイギリス発の世界的なブランドです。

Estee Lauder(エスティ―・ローダー)

また、2019年6月時点で、エスティ―・ローダー社が2023年までに、Clinique、Tom Ford、Jo Maloneといった大手ブランドの全ての商品における動物実験を廃止すると表明しました。

背景として、イギリスを拠点とする団体、Humane Society Internationalの#BeCrueltyFree というハッシュタグキャンペーンの扇動をうけ、このような決断に至ったとのこと。

これに関しては大手ファッション誌のElle紙やGlamour紙で大々的に取り上げられています。クルエルティ―フリーであることは、ミレニアル世代にとって大きなマーケティングポイントでもあるからです。上の画像の通り、「これは正しい選択だ」とGlamour紙も若者の同意に寄り添っています。

Pre-loved(プレラブド)

「プレラブド」とは、いわゆる古着やヴィンテージ商品のことです。マイナスな意味は全くなく、むしろ「愛されていた」というフレーズによってポジティブなイメージを生み出しています。法廷弁護士のAmal Clooney氏や、メーガン妃までが「プレラブド」をオフィシャルなシーンで着こなしており、サステナビリティ―が真にトレンドであることを示しています。

背景として、イギリスでは「チャリティーショップ」とよばれる非営利団体が経営するセカンドハンドショップの文化が深く根付いています。どんなに小さな町でも、チャリティーショップは最低でも1件はあります。

FARA

そんな中でも、FARA はおしゃれとサステナビリティーをうまく融合したチャリティーショップ。メイフェアやノッティングヒルなど、富裕層が多い地域にも店舗を構えており、ハイエンドなプレラブド商品を取り扱っています。

Renewable energy(再生可能エネルギー)

ヨーロッパ地域では、再生エネルギーへの転換が急速に行われています。Friends of the Earthによれば、2013年より、過去6年間でイギリスは再生可能エネルギーの生産率を7%から25%まで引き上げました。過去10年間で、イギリスの再生エネルギーのスタートアップは60社ローンチし、今では全エネルギー市場の2割を占めています。またスコットランドは、2020年までに国内で必要な電力を全て再生可能エネルギーでまかなえると表明しています。

Bulb

このような背景の中、再生エネルギーのプロバイダーであるBulb社というスタートアップが注目されています。2015年8月にロンドンにローンチしたBulbは、既に130万人の顧客を持ち、2018年12月にはイギリスで最も成長率が早い企業としてランクインしました。

再生可能なエネルギーに特化したチャレンジャープロバイダーとして、大手のプロバイダーをしのぐ勢いで成長しています。2017年、イギリスで最大のエネルギー提供量を誇っていたBritish Gas社のマーケットシェアが40%も縮小し、大きく報じられました。カスタマーサービスが悪く、不透明な事項が多く、満足度が低いことがネックであったとのこと。

このようなマーケットにおいて、Bulbが成功している理由としては、透明性とカスタマーサービスがあげられます。100%再生可能なエネルギーを提供し、そのデータに常に顧客がアクセスできるような仕組みがウェブ上で整っています。また、ライブチャットや料金表の透明化なども丁寧に行っており、従来のエネルギープロバイダーが弱みとしていた点をうまくマーケティングポイントに変えました。

まとめ

以上、ヨーロッパにおけるエシカル消費のトレンドを、キーワード別に事例をご紹介しました。このトレンドの背景の最も大きなファクターは、一般消費者の意識向上といえます。企業と法律の動きだけでなく、消費者が日々の生活からソーシャルメディアを通して、エシカルな選択をしている、という流れを感じます。

経済大国である日本も、どんどんエシカル消費への理解と認知度を上げ、新たなイノベーションを起すことを、世界から期待されています。

弊社では、そのようなサービスや商品の国内・海外展開をサポートしております。お気軽にご相談ください!

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